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はり・きゅう・マッサージ

はり・きゅう・マッサージの歴史

 鍼、灸、マッサージ(あんま)は、人々の生活の中から生まれ育ってきた、伝統医学に基づくもので、3世紀ごろ中国大陸から渡来し8世紀ごろには日本で確立されたことが歴史的資料に残されています。

 特に江戸時代までは、漢方薬と共に日本の医療を担ってきました。その間、日本の文化と融合し、日本人の特性に即したものに進化していきました。
とくに、鍼の分野では江戸時代に杉山和一によって研究開発された、非常に細い鍼を用いる技術である「管鍼法」は日本人の繊細でデリケートな特性によくマッチし、大きな支持をうけて、現在も日本だけでなく広く世界中で用いられています。
また、あんまを基礎として、それにいろいろな要素を融合させて「指圧」が形づくられました。
明治時代に入って西欧の文化が怒涛のごとく一気に導入され、医療の中心も西洋医学に変化しました。フランスで確立されたマッサージが入ってきたのもこのころです。
しかし、鍼、灸、あんまマッサージ指圧は、現在まで日本の文化と融合して人々の心をつかみ、支持を集め,世界的にも医療の一翼を担うものとなりました。

長く多彩な歴史を持つ鍼、灸、マッサージは之からも、健康を願うすべての人々のためにより良くその役割を果たしていきます。

視覚障害者の職業としてのはり・きゅう・マッサージ

江戸時代以前から鍼、灸、マッサージ(あんま)は視覚障害者の職業として発達してきました。

日本人の繊細でデリケートな感受性にマッチした、細い鍼を用いた技術である「管鍼方」は、江戸時代に視覚障害者である杉山和一が研究開発したものです。杉山は後に将軍を診察する役割を担う「御殿医」となり高い地位につきました。

「管鍼方」は、その優れた特色から現在も日本はもとより世界中で用いられています。

明治時代に入ると教育システムの整備が始まり、最初に京都にそして東京に、視覚障害者の教育区間として盲学校が誕生しました。東京の盲学校は後に東京教育大学の付属を経て、現在はつくば大学付属になっています。

盲学校では職業教育として鍼、灸、マッサージ(按摩)を教えてきました。

現在盲学校は全国に公立、私立あわせて80校近くあり、その他国立の機関や大学で、職業教育として視覚障害者に鍼、灸、あんまマッサージ指圧などを教え、国家免許を取得するための受験資格が得られるようになっています。

町や病院などで視覚障害者の鍼、灸、マッサージ師をよく見かけることがあるのはこんな理由があるのです。

小澤繁之

高齢化社会とはり・きゅう・マッサージ

神奈川県は、全国有数の速さで超高齢化社会が進展しています。今のままでは、医療や介護をはじめ社会システムが早晩持ちこたえられなくなります。そこで神奈川県は平成26年1月に「未病を治すかながわ宣言」を発表し、健康寿命を延ばして、高齢になっても誰もが健康に暮らし、長生きして誰もが幸せだったという社会の実現に向けて取り組みをはじめました。

ここでいう「未病」とはなんでしょう。最近は、テレビコマーシャルなどでも「未病」という言葉が使われるようになってきたのでご存知の方も多いと思いますが、「未病」とは、東洋医学の言葉で健康と病気の間の状態を指しています。「未病治(みびょうち)」となると、本格的な病気になる前に治すことを指します。神奈川県の未病チェックシートは、体調などの質問に答えていくと、東洋医学に基づいた健康状態が分かるようになっています。
このように県が東洋医学を利用して県民の健康増進を図ろうとしている現在、我々神奈川県鍼灸マッサージ師会も東洋医学のプロ集団として、協力しないわけにはまいりません。さっそく「未病を治すかながわ宣言協力活動」団体に登録させていただき、県下全治療院で協力していくこととなりました。
私たちの行うはり・きゅう・マッサージは、痛みを緩和する、疲労回復を図ることはもちろんですが、人と人が1対1で接する機会の中で「傾聴」という役割も担うことができます。

超高齢化社会を乗り切るためにも、我々の業は県民の皆様に「元気を取り戻す」大切な役割だと心得、これからも誠心誠意県民の皆様のために尽くしてまいりたいと思います。

介護予防研究委員会

林 秀卓

小澤繁之